E-TOMO Tasting Navi No.6

2024年02月14日

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シラー Syrah

E-TOMO Tasting Navi 第6回は、そのスパイシーで野性的な香りで、肉料理に欠かせない黒ブドウ品種、シラーをご紹介! シラーとは、どんなワインなのでしょうか?

起源

フランス コート・デュ・ローヌ地方原産の黒ブドウ品種。
その起源については、エジプトで生まれたブドウをローマ人がシチリアの都市シラクーサ(Syracusa)からヨーロッパ全土に広めたという説、イランの都シラーズ(Shiraz)で生まれたブドウをギリシャ人がフランスにもたらしたという説、古代ローマの作家プリニウスがヴィティス・シリアカ(Vitis Syriaca)と呼ばれるシリア産のブドウが起源ではないかと言及していた説など、諸説あったシラー。

ところが、1998年、カリフォルニア大学デ―ヴィス校のキャロル・メレディ教授によるDNA鑑定で、南フランス原産の古代品種デュレサ(Dureza)と、サヴォワ地方原産のモンドゥース・ブランシュ(Mondeuse Blanche)の自然交配によって誕生したことが判明。

シラーとシラーズ

シラーのシノニムで同一品種として知られるシラーズ。オーストラリアの主要品種であり、新世界の多くでシラーズと呼ばれていますが、なぜフランス原産の “Syrah” が “Shiraz” になったのでしょうか?

オーストラリアに初めてシラーがもたらされたのは、19世紀前半。”オーストラリアブドウ栽培の父” ジェームズ・バズビー(James Busby)がシラーのブドウ樹をフランス・ローヌからオーストラリアに持ち帰ったことが始まりと言われています。その際、この挿し木には “Scyras” もしくは “Ciras” とラベルが貼られていたとの記録が。上記のかつて推測されたシラーの起源が語源となって、シラーズという呼び名で広まった可能性がありますが、正確な経緯はいまだ謎に包まれているようです。

現在では、世界各地でシラーが栽培されるようになり、同じ国であっても、シラーとシラーズ、両方の名前が聞かれるようになりました。それは、原産地を示すのではなく、ワインの「スタイル」を表すために、シラーとシラーズが使い分けられている傾向にあります。

特徴

■ブドウ
葉の大きさは中程度、房は長い円柱状で、実は小粒で果皮が厚く、青みがかった濃い紫色。樹勢が非常に強く、枝葉が生い茂るため、土壌が深く肥沃な場所での栽培や、樹勢が強くなりやすい台木の使用は避けた方が良い。
病気になりにくい品種で育てやすく、幅広い気候や土壌に適合することから、世界中の様々な地域で栽培。
糖度が上がりやすく、収穫期に果粒が干しブドウ状になりやすいため、過熟の注意が必要。過熟になると酸度が落ち、ジャムやレーズンの風味が支配的になり、この品種らしさが失われてしまう。

■香り
フルーティーかつスパイシー、ブラックチェリーやプラム、ユーカリ他、独特な野性的な香りを持ち、黒コショウ、焼けたゴム、リコリス(甘草)、チョコレートなどの表現がよく用いられる。一般的に、冷涼であるほどコショウなどのスパイス香、スミレやカーネーションなど花の香りが強くなり、エレガントでしなやかな仕上がりに。一方、温暖産地のシラーは、プラム、リコリス、チョコレートなど、リッチで濃厚な香りが強くなる。

シラー独特の野性的な香りについて「馬小屋臭」「獣臭」と表現されることがあり、この腐敗酵母(ブレット)の風味は、かつては品種の特徴ともされてきたが、衛生管理に問題のある醸造施設が多かったことと、酸が不足しがちな品種特性による微生物汚染のリスクが高かったことが主な原因。この香りが故に好き嫌いが分かれ、敬遠されることも多かったため、近年ではこういった香りのないシラーが主流となってきている。


■スタイル
色が濃く、強い渋みとストラクチャーのある強靭なワインを生む品種。逞しいスタイルになるという点で、カベルネ・ソーヴィニヨンと立ち位置が似ている。酸味は控えめとされていたが、冷涼な気候で造られたものには、しっかりと酸があるものも多い。

Cool Climate: 近年注目されているのが、このクールクライメットシラー。ローヌ北部やソノマ、ワシントン州などの他、最近ではオーストラリアやチリなどの冷涼産地でも造られる。一般的に軽めで樽熟成がなく、フレッシュな果実味と酸が高めなのが特徴。

Warm Climate: 温暖な産地のシラーは、新樽熟成がやや多く、リッチなテクスチャーと甘いタンニンのフィニッシュが加わります。オーストラリアのバロッサ・ヴァレーやマクラーレンヴェール、アメリカのナパやパソ・ロブレス、アルゼンチン、スペイン、南アフリカなど暑い地域で造られ、シラーに対し、シラーズと呼ばれることが多い。

代表的な産地

フランス

■コート・デュ・ローヌ地方
シラーの故郷であるローヌ地方北部が中心産地。許可されている唯一の黒ブドウ品種がシラーであり、コート・ロティ、エルミタージュの2大AOCからは、逞しさと繊細さを併せ持つ、長期熟成可能な偉大なワインが生産。南部では、シャトーヌフ・デュ・パプに代表されるワインに、グルナッシュやムールヴェードルなど、複数の品種と一緒にブレンドされ、ワインにストラクチャーや長期熟成能力を与えています。

その他、プロヴァンス地方、ラングドック・ルーション地方、南西地方など、地中海沿岸の南フランス全域でも広く栽培。


オーストラリア

シラー栽培面積は、フランスに次いで世界第2位、国内では第1位。
19世紀初め、ジェームズ・バズビーらによってローヌ・エルミタージュより輸入されたブドウ樹は、ニュー・サウス・ウェールズ州で栽培が盛んになり、そこから全国に拡大。「シラーズ」の名でオーストラリアを代表する品種として長年愛され、1本数百円の安価なワインから1本数万円の超高級品まで、幅広いスタイルのワインが大量に生産されています。

かつてはバロッサ・ヴァレーに代表される、温暖な地で造られるパワフルなシラーズが主流だったが、近年では、クレア・ヴァレー、クナワラ、マーガレット・リヴァーなどの冷涼産地にて、ローヌシラーに近いエレガントなシラーズも造られるように。有名生産者は、ペンフォールズ、ヘンチキなど。


アメリカ

■カリフォルニア州
カリフォルニアにおけるシラーの栽培は長く、禁酒法以前にメンドシーノ・カウンティに植わっていたとされるが、この品種への関心が高まったのは1980年代以降、カリフォルニアでは無名だったローヌ品種に光を当てた「ローヌ・レンジャーズ(Rhone Rangers)」と呼ばれる生産者グループによるもの。
栽培面積が広がったのは1990年代、主な栽培地は、サン・ルイス・オビスポ郡、サン・ホアキン・ヴァレー、ローダイ、ソノマ、ナパ・ヴァレーなど。

カリフォルニア以外では、ローヌ北部と同緯度のワシントン州にて、ローヌとオーストラリアの中間的なスタイルのワインが造られています。


南アフリカ

南アフリカにシラーが伝来したのは、1650年代とオーストラリアよりも1世紀以上前。しかしながら、栽培家、消費者双方の関心を引くことがなかったため、1990年代前半までは、栽培面積はわずか700ha。近年になって急速に栽培面積が増え、現在では、黒ブドウ品種では第2位。

オーストラリア産のスタイルに近いワインが多く、品種名も “Shiraz” が用いられることが一般的。中心生産地域は、コースタル・リージョンのステレンボッシュとパール。近年では、ラベルに “Syrah” と書かれた、よりライトで風味豊かなガストロミックなスタイルのワインも人気。


チリ

ハイクオリティで、コスパ抜群なワインを多く産出することで知られるチリ。気候的にシラー栽培に向くといわれており、産地によって見せる表情を変える、シラーにとって非常に面白い産地。

エラスリスによると、1993 年にアコンカグアの畑に植えられたシラーがチリ初のものと言われているが、これまでのチリのシラーといえば、”Syrah” と名乗りながら “Shiraz” に近い、温暖なコルチャグア・ヴァレーを中心に造られるパワフルなワイン。ところが、近年はカサブランカ・ヴァレーや北のエルキ・ヴァレーなど、冷涼産地で造られる “クールクライメットシラー” に注目が集まっています。


その他

フランス以外のヨーロッパでシラー栽培が盛んなのは、イタリアのトスカーナやシチリア、そしてスイス。その他、ニュージーランドや、「新・新世界」ともいわれるインドやタイなどでも、シラーのスパイシーな味わいがエスニック料理によく合うとして栽培されています。

フードペアリング

■エレガントなシラーには・・・
鴨肉のロースト、仔羊のロースト、鹿やウサギのジビエなど。
デリケートな風味を持つ鴨や仔羊は、軽めのスタイルのシラーにぴったり。オールスパイス、クローブ、ミントなどを使うとシラーの自然な風味がより引き立ちます。

■リッチなシラーズには・・・
バーベキュー、ジンギスカン、アサード、ラム肉のグリル、インド料理、タイ料理など。
濃厚な旨みのある肉との相性は抜群。ワインの果実味を引き出すために、コショウとクミンなどのスパイスを加えると良く、スパイシーなインド料理や、本来ワインと合わせにくいとされるタイ料理も、フルーティー&スパイシーなシラーはよく合います。

★ポイント★
エレガントながら野性的でスパイシーなシラーもあれば、パワフルながらフルーティーで甘みのあるシラーズもあり、幅広く様々なスタイルのシラーが世界中で造られているため、産地とスタイルを見極めることがポイント。同じ生産国でも北なのか南なのか、温暖なのか冷涼なのかを考えると、比較的分かりやすい。シラーの特徴である「スパイス香」と「野性味」を何と合わせ、どう生かしたいかを考えると、ペアリングのコツが見えてくるでしょう。

ワインテイスティング



M.シャプティエ レ・メゾニエ クローズ・エルミタージュ
M. Chapoutier Les Meysonniers Crozes-Hermitage 2021

ローヌを代表するワイナリーといえば、M.シャプティエ。ビオディナミ農法への取り組みも早く、伝統と現代性を組み合わせたワイン造りで、エルミタージュ最高峰の造り手とも言われています。その結果、ロバート・パーカーから100点の最高評価を40回以上も獲得する偉業も果たしました。
「すべてのワイン愛好家にワインをお届けしたい」という思いから、すべてのワインに点字のラベルを導入している点もポイント。

今回試飲したクローズ・エルミタージュも有機のシラーを使用。約12ヶ月の熟成は、85%が果実のフレッシュさとミネラル感を保つためにコンクリートタンク、残りの15%は樽熟され、複雑な芳香性とともにワインのストラクチャーとパワーをもたらしています。

産 地:フランス コート・デュ・ローヌ地方
品 種:シラー100%
醸 造:85%コンクリートタンク、15%木樽にて12ヵ月熟成
Alc.度:13.0%
参考小売価格:3,814円
Importer:サッポロビール

haruna:
シラーといえば真っ先に思い浮かぶ産地がフランスのローヌ地方ではないでしょうか? 他のニューワールドとは異なり、果実味は控えめ、最も複雑な香りと味わい。シラーの特徴である野性味とも取れるレザー感の他、紅茶やスパイス、苦味をバランス良く感じるワインでした。このくらい複雑なワインだと、家庭料理ではなく、レストランでプロのお料理と一緒に味わいたい!(笑)




ドッグ・リッジ ザ・パップ・シラーズ
Dog Ridge The Pup Shiraz 2019

ドッグ・リッジは、南オーストラリア州アデレード近郊の山間に位置する、家族経営のワイナリー。1940年代に植えられた貴重な古樹や、かつて馬とともに耕作していた名残りの畑など、歴史的な姿を見ることができるワイナリーです。

ワイナリー名の「ドック・リッジ」は、ワイナリーの位置する「リッジ(隆起した畝)」だけでなく、ワイン用語の「ドック・リッジ(ブドウの代木)」から。この「ザ・パップ」という名も、愛犬レトリバーの子犬(パップ)が由来の可愛らしい名前が付けられたワインです。

産 地:オーストラリア 南オーストラリア州 マクラーレンヴェール
品 種:シラーズ100%
醸 造:アメリカンオーク樽にて醸造
Alc.度:14.5%
参考小売価格:2,800円
Importer:サッポロビール

ユメコ:
「パップ(子犬)」という可愛らしい名前がついていますが、味わいはしっかりとしたワイン! ラズベリーやブラックベリー、黒コショウの香りに、豊かなタンニンが複雑さを際立たせています。フランスのシラーに比べると、より果実の甘さを感じることができます。




マイケル・デイヴィッド・ワイナリー シックス・センス・シラー
Michael David Winery Six Sense Syrah 2020

もともとブドウ農家を生業としていたフィリップ家の5代目が、ワイン造りに魅せられ始めたのが「マイケル・デイヴィッド・ワイナリー」。初めはわずか700ケースだったのが、セブン・デッドリージンズが大ヒットを記録し、10年後には生産数25万ケースまで成長しました。
今回のシラーは、ワイナリーの自社畑にあるアメリカで最も古く植樹されたブドウを使用。どの商品もラベルが非常に目を引くデザインをしており、思わずジャケ買いしたくなるワインです。

ちなみに、ブレンドされている「プティ・シラー(Petite Syrah)」は、シラーとは関係のない、南仏のDurifと同品種で、現在は主にカリフォルニアで栽培されている黒ブドウ品種。

産 地:アメリカ カリフォルニア州 セントラル・ヴァレー ローダイ
品 種:シラー85%、プティ・シラー15%
醸 造:木樽にて12ヵ月熟成
Alc.度:15.0%
参考小売価格:3,500円
Importer:フィラディス

ユメコ:
フレンチ&アメリカンバリックにて12か月熟成されているため、コーヒーやタバコ、煙のような香りが感じられ、口にした瞬間広がる果実味が特徴的。よく熟したシラーの厚みのある味わいが楽しめます。アルコール度数が高く、他に比べて甘みが感じられることと、なんといっても樽熟成のスモーキーな香りが特徴的! フランスに比べ、果実味と甘みが強いので、BBQとの相性がばっちりです♪




KWVカセドラル・セラー シラーズ
KWV Cathedral Cellar Shiraz 2020

1918年、ブドウ栽培農家たちによって設立された協同組合KWV。KWVとは、アフリカ語で「南アフリカブドウ栽培協同組合」を意味する “Ko-operatieve Wijnbouwers Vereniging Van Zuid-Afrika Beperkt” の頭文字の一部を取ったもの。このKWVの設立により、南アフリカのワイン産業は向上、国をあげてワインの品質向上や輸出増進へと取り組むようになりました。

前年の2019年VTは、サクラアワードにて2022年・2023年の2年連続でダブルゴールドを受賞した優秀な1本! こちらもプラム、カシス、スミレ、黒コショウ、クローヴやシナモンの香りに、しっかりとした酸とまろやかな甘味、きめ細やかな渋味とシルキーな舌触り。凝縮感がありながらも、上品で洗練されたシラーズです♪

産 地:南アフリカ ウェスタン・ケープ州
品 種:シラーズ100%
醸 造:300Lの木樽にて18ヵ月熟成(新樽35%)
Alc.度:14.0%
参考小売価格:2,510円
Importer:国分

Tomoe:
カベルネ・ソーヴィニヨンの時にもご紹介したカセドラル・セラー。安定の品質と美味しさはもちろん、個人的にはこのゴールドのラベルがとても好き! 食卓を華やかにするルックスは、ワイン選びにおいても重要な要素だと感じています。プラムのような熟した甘酸っぱさがあるので、グリルした牛や豚にプラムソースを添えると見事なマリアージュとなります♪




レイダ レセルヴァ シラー
Leyda Reserva Syrah 2021

チリのレイダ・ヴァレーに初めてぶどう畑を開拓したのが、このレイダ・ワイナリー。レイダ・ヴァレーは、チリの中でも最も冷涼な産地の1つ。1998年創業とまだまだ新しいですが、近年のトレンドであるクール・クライメイトな産地が注目を浴びる中、世界的な評価を確立しているワイナリーでもあります。

畑の半分はピノ・ノワールが占めていますが、シラーもとても高品質! スミレの花やラズベリーなどの赤い果実の香りに、心地良い酸味とやわらかいタンニンを持った味わいです。

産 地:チリ アコンカグア レイダ・ヴァレー
品 種:シラー100%
醸 造:63%木樽、37%ステンレンスタンクにて12ヵ月熟成
Alc.度:13.0%
参考小売価格:1,496円
Importer:アサヒビール

haruna:
わずかながらに野性的なニュアンスがありながらも、酸が高く、すっきり飲みやすいチャーミングともいえるシラー。チリの赤ワインといえば果実味たっぷり、オーストラリアシラーズに近いワインが主流でしたが、近年の流行りは「クール・クライメット・シラー」! 濃厚シラーからエレガントなシラーに流行りが移る中、冷涼気候のレイダ・ヴァレーは、まさに流行りのシラーを造るのにぴったりな産地です♪

今回のポイント

色調の違い

色調は全体的に濃く深みのあるダークチェリーレッド
・冷涼な産地であるほど色は淡く、酸も高い
・温暖な地域でブドウが熟すと、色調が濃くなる
・若いワインは紫の色調が強くなる
・熟成してくると紫より赤みがかってくる
・アルコール=糖度が高いと粘性が強くなる

■フランス(ローヌ北部)/ チリ:やや淡めの外観から冷涼産地
■オーストラリア:赤みを帯びた色とエッジの淡さから熟成
■アメリカ:最も濃い紫色から果実の熟度の高さ=温暖産地


香り&味わいの違い

「シラー=馬小屋臭」はもう古い?

ヒントとなるのは、フルーティーさ、スパイシーさ、野性っぽさ
・濃淡はあっても、果実味+酸味+タンニンでパワフル
・タンニンは、カベルネソーヴィニヨンに比べるとなめらか
・旧世界は、スパイシーかつエレガント、複雑味もある
・新世界は、太陽光をたっぷり浴びた果実味がある
・かつての特徴香「馬小屋臭」は最近のシラーからは感じられない
・獣臭=野性味は、生肉や血、鉄や土っぽさ


★コショウの香り「ロタンドン」とは★

ロタンドンとは、ブドウ由来の香り成分の一種で、ワインに黒コショウのような香りを与える化合物。
2008年にオーストラリアの研究グループが初めて明らかにし、シラーにスパイスやコショウなどの特徴香をもたらすことで知られています。特に、冷涼な気候のもとで栽培されたシラーに、この香りが強く出るとのこと。



ロタンドンは、実際にコショウ、オレガノ、タイム、ローズマリーなどのスパイスや植物に多く含まれており、ブドウ品種では、シラーをはじめ、マルベックやガメイ、ムールヴェードルなどに含まれます。ブラインドテイスティングで「コショウの香りがする」と感じたら、まずはシラーを候補に挙げるとよいでしょう。



ところが、実はこのロタンドン、水1L中に8ng(ナノグラム)という非常に低い濃度でも知覚できるほど、強烈な香りがするとされながら、なんと遺伝的に5人に1人が、このロタンドン由来の黒コショウの香りをまったく知覚できないのだとか! テイスティングにおいて、どうしても黒コショウの香りが取れない・・・という人は、もしかしたらその1人なのかもしれません?!