E-TOMO 繁昌Navi No.51

2023年10月18日

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E-TOMO繁昌Navi No.51

こんにちは! E-TOMOです。

今夏、東京都心では、観測史上初の真夏日90回を記録し、9月に入ってからも30℃超の日続出。
いつになったら涼しくなるのやら・・・と、秋を待ちわびていた人も多かったことでしょう。

10月も後半に入り、ようやく暑さもおさまり、秋らしい気候になって参りました。
秋の澄んだ空気に美しい景色、美味しい食べ物とお酒など、束の間の「秋」をぜひ満喫したいですね♪

さて、1年近くかけてお酒にまつわる “定点観測取材” を行う「E-TOMO定点観測」。
2023年は、ワイン造りをブドウ栽培から密着レポ―ト!

前回は、元気にすくすくと育つブドウたちの様子をレポートしました。

これまでの記事はこちら:
『E-TOMO定点観測 ~ワインができるまで~』①芽かき
『E-TOMO定点観測 ~ワインができるまで~』②傘かけ

第3回は、実りの秋! いよいよブドウの収穫です♪

『E-TOMO定点観測 ~ワインができるまで~』No.3

定点観測 ③ 収穫

9月後半のある日、E-TOMO取材班は、収穫期真っ盛りの山梨県甲州市勝沼町へ。

朝、駅に降り立った瞬間、暑い・・・全然涼しくない!

というのも、すでに9月も後半だというのに、東京は真夏日の過去最多記録を更新中。

一方、甲府盆地の東端にあり、典型的な盆地気候である勝沼町は、日中は暑くても、1日の寒暖差の大きい地域。
その気候がゆえに、ブドウのみならずフルーツの栽培にも適した産地であり、東京に比べたら、朝はきっと涼しいに違いない・・・勝手にそう期待していたのです。

地元の人々に聞いても、やはり今年の暑さは異例とのこと。
そして、この猛暑続きで、収穫は例年に比べ2週間ほど早まり、ワイナリーはどこも大忙し!

この日の天気は曇りながら、最高気温29℃。収穫作業を行うには、まだまだ汗だくになる暑さです。
そんな中、収穫してくださるワイナリーと農家さんのおかげで、今年も美味しいワインが飲めるのですね♪

山梨市駅より車で10分少々、白百合醸造に到着。
トレードマークであるエントランスのマスカットベーリーAが、たわわに実っています!

実は、この日は雨予報が出ていたため、直前まで収穫が行われるか分からず・・・
とりあえず現地に足を運んだE-TOMO取材班。自然を相手にする取材の大変さを毎回痛感しています(^_^;)

何とか雨は持ちこたえ、朝から自社畑でマスカットベーリーAの収穫が行われているとのこと。
お天気がご機嫌を損ねる前に、着替えて畑にGO!!

畑に到着すると、おおー! 立派に育ったマスカットベーリーAがたくさん!!
見てください! こんなに美しいブドウに育っています♪

こちらは、6月に傘かけを行った際の、同じマスカットベーリーA。まだ青々としていますね。

収穫は、栽培チームの石場さんと樋口さんのお2人で。
傘かけされたブドウは、傘を先に外してから獲ることもあれば、傘が付いたまま獲って、後から外すのでもOK。

E-TOMO取材班も、ほんのちょっとだけお手伝いをさせていただきました。
ブドウをカットするのは、根元のどこでもよいとのこと。ドキドキ・・・

ブドウを手に取ると、ずっしりと重みが!
こんなに立派に成長してくれてありがとう♪ と、愛おしさすら感じます(笑)

カットしたら、バスケットに入れる前に、ブドウを見て、状態をチェック。
ワインに青臭さを与えてしまう未熟な実や、腐敗していたり、カビの生えた実をハサミで切り落とします。

一見きれいな房に見えますが、下の方に小さな未熟な実があるのが分かりますか?

これを「選果」といい、良いワイン造りのためには欠かせない、とっても大事な作業。
美味しいワインになって欲しい! そう願いながら、1房1房きれいなブドウにし、そっとバスケットに入れていきます。

かなり根気のいる作業ですが、今年は暑い日が続き、雨も少なかったことから、ブドウの出来がすごく良いとのこと!
選果のまったく必要のないきれいな房も多く、とっても楽なのだそう。

そんなわけで、さくさく収穫できて、あっという間にバスケットがいっぱいに。

ある程度収穫すると、ブドウたちをトラックでワイナリーへ運びます。

鮮度が命のブドウ。収穫してすぐ仕込むのかと思いきや、1~3日冷蔵庫で冷やすのだそうで、なにぶん暑い中収穫しているので、一度冷やしてから仕込んだ方がよいのだとか。

せっかくなので、味見もさせていただきました♪

もともとマスカットベーリーAは食用ブドウなので、美味しいのは当たり前なのですが、瑞々しくジューシーで、甘さと酸味のバランスもよく、これは絶対美味しいワインになりそうです!

収穫の様子をぜひ動画でもご覧ください♪

その他のブドウたち

甲州 Koshu

マスカットベーリーAのすぐお隣にある、甲州のブドウ棚。

こちらも美しいグリ色のブドウに成長していました! 房が細く長いのが特徴です。

BEFORE (6月)
AFTER (9月)

契約農家さんの甲州ブドウは、すでに収穫を終えて、仕込み中のものもありますが、自社畑の甲州は、もう少し収穫を待って、10月に入ってからを予定しているとのこと。

こちらも味見させていただきましたが、リニアな酸味がすーっと伸びて、すでに十分美味しい!
一房食べられそうな美味しさですが、いやいや、美味しい甲州ワインになるのが、とても楽しみです♪


プティ・ヴェルド Petit Verdot

第1回の「芽かき」から成長を見届けている、垣根仕立てのプティ・ヴェルド。

こちらも晩熟なブドウなので、まだ収穫されておらず、美しく実ったブドウを見ることができました!
マスカットベーリーAに比べて、小粒なのがよく分かります。

プティ・ヴェルドは、色が濃く、香り豊かで、しっかりとした酸味と豊かな果実味が特徴の黒ブドウ品種。タンニンも豊富に含まれているので、ワインにストラクチャーを与えてくれ、主に赤ワインのブレンド用に使われます。

今年は、鳩やギャーギャーなど、鳥の被害に悩まされたそうで、実を食べられてしまっている房も。

予防策として、雨よけの下に、シルバーの光を反射する「鳥よけテープ」が貼られていました。
それでも、最初は効果があっても、そのうち鳥も慣れて、またやってきてしまうのだとか・・・困りものです。


メルロ&シャルドネ Merlot & Chardonnay

こちらは棚仕立てで栽培している、メルロとシャルドネ。
早熟で知られる両ブドウは、きれいに跡形もなく収穫されていました(笑)

ワインテイスティング

収穫体験の後は、ちょこっとワインテイスティング。
できたてほやほやの新酒や、稀少な発酵途中のワインもテイスティングさせていただきました。

白百合醸造の主だったワインについては、第1回にご紹介しています。合わせてご覧ください♪
『E-TOMO定点観測 ~ワインができるまで~』①芽かき

新酒 アジロン 2023 ※完売※

毎年あっという間に完売してしまう大人気の新酒、アジロン。2023年分も、発売から1カ月とたたないうちに完売してしまいました。

勝沼町周辺でのみ栽培される「幻のブドウ」アジロンダック。勝沼で最初に造られた赤ワインに使われたとされ、キャンディのような甘い香りに、鮮やかな赤色が特徴。8月頭には収穫が始まるため、前回取材した時には、すでにぷっくりした実がついていました。

華やかな香りと甘い味わいが人気のこちらは、冷やしてテラスやアウトドアで飲むのにぴったり。気になる方は、来年ぜひお早めに!

参考小売価格:1,980円

ロリアン スパークリング ロゼ ベーリーA

山梨県産のマスカットベーリーAを使用した、チャーミングなピンク色が人気のロゼスパークリングワイン。ワインの味わいを活かすため、冷却や濾過などの処理を最小限にした、にごりスパークリングです。

爽やかな泡に、柔らかな酸味とマスカットベーリーAらしいほんのりとした甘みがあり、食事はもちろん、フルーツを使ったデザートにもよく合います。ワイナリーのオススメは、ナポリタンとアップルパイ!

可愛いピンク色は、女子会にもぴったり。アルコールも11%と低く、ワインがあまり得意でない人も、これなら美味しくいただけるはず♪

参考小売価格:1,980円

ロリアン 三重奏 TRIO 2021

今回の定点観測にて、第1回から成長を追った “プティ・ヴェルド” が使われているのがこちら。選び抜かれたマスカットベーリーA、プティ・ヴェルド、メルロの3品種をそれぞれオーク樽で熟成させてブレンド。

ベーリーAらしい甘い香りに、味わいはしっかり辛口。樽由来のロースト香、シナモンや丁子、ブラックペッパーなどのスパイス香が調和し、タンニンはなめらか。3品種の見事なハーモニーが楽しめます。

日本ならではのこのブレンドは、日本の食卓にこそオススメ! 甘みのあるすき焼きから、ラムチョップのようなしっかりした肉料理まで、幅広い料理に合わせられる万能赤ワインです。

参考小売価格:3,850円 【2,843本限定】

【ワイナリー限定】もろみワイン Vin Baurru

収穫期恒例の白百合醸造「もろみワイン」イベント。コロナ前以来、4年ぶりに開催。たまたま取材日と重なり、その場に居合わせたラッキーなE-TOMO取材班!

「もろみワイン」とは、ブドウ果汁が酵母菌によってアルコールと炭酸ガスに分解される発酵中のワインのこと。オーストリアではホイリゲ、ドイツではフェーダーヴァイサーと呼ばれ、秋の風物詩として知られますが、日本では酒税法の関係で、飲めるのはワイナリー内でだけ。

発酵開始から3日目の甲州とデラウェアのブレンドは、 甘酸っぱい果汁に酵母の香り、アルコールはまだ3%で、まさに “ワインの赤ちゃん”。稀少なにごりワインは、ごくごく飲めてしまう危険な美味しさです♪

取材後記

9月はワイナリーにとって1年で一番忙しい収穫期。栽培チーム、醸造チームともにピリピリした空気が流れる中、快く取材にご協力いただき、体験までさせてくださる、お優しい白百合醸造の皆様に感謝・感謝でした!

天候に左右される収穫に、突然決まることの多い仕込み。あらためて取材日程を組む難しさを痛感した今回の取材でしたが、そこは幸運なE-TOMO取材班! 今回の「収穫」はもちろん、次回の「ワイン造り」もしっかりお伝えできそうなので、どうぞご期待ください♪

最後に、毎度のほうとう。
今回は “ほうとう日本一” のタイトルを獲得した「歩成(ふなり)」。といっても、第1回の取材時にいただいたほうとうが美味しくて、別店舗へ再訪。
頼んだのは、秋の味覚キノコ入りの黄金ほうとう。オリジナルの特製辛味噌がクセになる美味しさで、また次回も行ってしまいそうな予感です(笑)

白百合醸造
〒409-1315 山梨県甲州市勝沼町等々力878-2
TEL:0553-44-3131
WEB:https://shirayuriwine.com/


いかがでしたか?

次回の定点観測は、いよいよブドウがワインとなる様子をお伝えします♪
どうぞお楽しみに~!

お酒のナビゲーター「E-TOMO FRIENDS」自己紹介

Tomoe
ワイン全般好きですが、シャンパーニュは浸かりたいくらい大好き! 最近は珍しい国のワインと品種に興味津々。聞いたことのない土着品種と出会うと、飲みたくて目がキラキラします☆

haruna
インスタで日々美味しいランチを探してます! 入社当時はワイン派でしたが、最近はもっぱら純米酒が好きになってしまいました♪

ユメコ
榎本のフードファイターと呼ばれるくらい食べることが大好きです! お肉料理が好きなので、さっぱりしたハイボールが大好きです!! 一年中飲んでます!

ルミ
すっきりとしたビールが大好きです!
特に趣味のテニスの後に飲む一口目は、まさに至福のひとときと言えます!