E-TOMO 繁昌Navi No.23
E-TOMO繁昌Navi No.23
こんにちは!E-TOMO7です。
秋も深まってきた今日この頃。10月に入ってから続く台風到来や秋の長雨で、一雨ごとに涼しくなり、日が落ちるのもすっかり早くなりました。あっという間に暗くなり、物寂しく感じる反面、夜の時間が長くなり、酒飲みには嬉しい季節かもしれません(笑)
巷には美味しそうな秋の食材ばかり。お酒も美味しい季節です! ビールや白ワインなど、すっきり爽快系一辺倒だった夏から、秋はふくよかな赤ワインや、日本酒の熱燗が飲みたくなります♪
日本酒といえば、最近注目されているのが「日本酒ペアリング」。
一般社団法人 日本ソムリエ協会(J.S.A.)では、2017年より日本酒の呼称資格認定制度「SAKE DIPLOMA」を設け、ワインのプロフェッショナルであるソムリエたちにも、近年海外でも人気の高まる日本酒の普及のため、積極的に日本酒/焼酎の知識の習得と、和食に限定しない料理とのフードペアリングを推奨しています。
世界の人々に日本酒について話をする際、香りや味わいをイメージしやすくするため、テイスティング用語もワインと共通する用語を多く使用。
来る東京オリンピックに向けて、国酒である日本酒は、ますます注目されること間違いなしなので、今から知識を身につけておくとよいですね♪
さて、E-TOMO繁昌Naviで大好評の「気になるお店」レポート。9月に特集した「カクテルペアリング」に続き、今回は「日本酒ペアリング」ができるお店!
訪問したのは、E-DASHにて “Wine Trend” ならびに “Food Pairing” 記事を連載中で、ペアリングの第一人者として知られるワインテイスター/ソムリエ大越基裕氏がプロデュースする新店「Ăn Cơm」。予約の取れない人気店、外苑前のモダンベトナミーズ「Ăn Đi」の新業態で、7月に広尾 “EAT PLAY WORKS” にオープン!
さすが超人気店の2号店、早速ご繁昌されていると聞き、日本酒ペアリングとともに取材して参りました♡
7月20日 広尾「EAT PLAY WORKS」OPEN!
新型コロナウイルスの影響で、予定より遅れること4カ月。東京メトロ日比谷線・広尾駅を出てすぐ、広尾商店街の入り口に2020年7月、満を持してオープンした “EAT PLAY WORKS”。
目印は1階の ”BLUE BOTTLE COFFEE”。サードウェーブコーヒーの代表格であり、コーヒー界の “Apple” といわれる人気のコーヒーショップ。低層階はレストラン、上層階はメンバー専用ラウンジとオフィススペースが入った6階建ての複合施設で、コンセプトは「食べて、遊んで、仕事して」。
1~2階は、世界一の美食都市・東京の魅力をぎゅっと凝縮したSpeciality Restaurant Hall「THE RESTAURANT」。
鮨界の新レジェンドといわれる銀座「はっこく」やミシュラン二ツ星フレンチ「レフェルヴェソンス」の新店、スペインの三ツ星「サンパウ」出身のシェフが手がける店など、日本のみならず、世界の美食家も注目する17店の名店が集結。一流の味を気取ることなく楽しめるハイエンドな横丁です。
横丁といえば、ハシゴできるのが魅力! 軽いおつまみから始めて、しっかりメイン、そして〆の麺まで、お気に入りをハシゴして、オリジナルのフルコースを楽しむのもよいかもしれません♪
3~4階のメンバーズラウンジは、ふらっと立ち寄って仕事したり、仲間と飲んだり、くつろいだり、自由な時間が過ごせる上質で開放的な空間。そして、5~6階はメンバー専用のオフィスフロア。
“腹が減っては戦はできぬ” で、仕事中にお腹が空けば、「THE RESTAURANT」に降りていくのもよし、ケータリングを頼むのもよし。まさに 「EAT・PLAY・WORK」 のとても素敵な場所です!
メンバー登録等の詳細については、公式サイト https://eatplayworks.com/ にて。
「Ăn Cơm」
「THE RESTAURANT」の2階にオープンしたのが、外苑前の人気モダンベトナミーズ「Ăn Đi(アンディ)」のスタイリッシュさとエッセンスはそのままに、よりカジュアルにベトナムのローカルフードとお酒が楽しめる「Ăn Cơm(アンコム)」。
新酒の季節になると酒蔵の軒先に吊される「杉玉」が飾られているのは、日本酒をメインに扱う「Ăn Cơm」ならでは! 新型コロナウイルス感染予防対策として、現在はカウンター右手の立ち飲み席を排除、8つの席をカウンターいっぱいに広げて、席と席の間隔を空けています。
カウンター横にはテーブル席もあり、テーブルの上に飾られた色とりどりのランタンは、毎月満月の夜に催されるベトナムの古都・ホイアンのランタン祭りにやって来た気分に(^^)
ランチはショートコース、ディナーはコースとアラカルトから選べ、野菜を中心としたメニューが豊富なため、ホッピングするお客様には1軒目のお店として選ばれることが多いそう。
使用している野菜は、こだわりの有機野菜。今年から函館に自社農園をスタートし、葉物のレタスやハーブなどはそちらから。自社農園はオーガニックであることはもちろん、トレーサビリティやコストダウンの点でも利点が多く、食事をする私たちも安心! 今後にますます期待が高まります♪
E-TOMO7が着目したのは、お料理と合わせた「日本酒ペアリング」がメニューにあること。
オーナーである大越氏は、ワインのみならず、日本酒と焼酎にも精通していることで知られ、ペアリングには特に定評があるので、初のベトナム料理 × 日本酒ペアリング体験に、ワクワクドキドキ!
揃えている日本酒は約30種。
メニューを見ると、アラカルトのメニューにも1つ1つ日本酒がペアリングされています。これなら、軽くつまみたい日にも、ハシゴ酒したい日にも、1品からペアリングが楽しめますし、日本酒初級者でも、何を頼んでいいか迷わずに済みますね(^^)
今回はアラカルトでお任せにし、オススメのペアリングをいただきました。
七本槍 × Ăn Cơm Sparkling Sake
Ăn Cơm のために特別に造られたうすにごりスパークリング。蔵との協力で、発酵期間を既存の七本槍スパークリングよりも長くすることで、極力甘さを控えめに、酸を高く、よりドライに仕上げています。
使用米は玉栄、瓶内二次発酵で微発泡。アルコールは7%、爽やかで飲みやすく、乾杯にぴったりのスパークリング。
山形正宗 亀の尾 純米吟醸 生酛
山形県産の亀の尾100%で造られた生酛。
亀の尾は最も歴史ある酒米のひとつで、東日本で栽培されている米のほとんどが亀の尾をルーツとしています。米が硬いため、辛口な酒に仕上がり、生酛でも重くないので、生春巻きや野菜ともよく合います。
ペアリングにおいては、料理とお酒の重さを合わせることは重要なポイント!
大麦焼酎 青鹿毛
宮崎県産の麦焼酎。九州産の二条大麦を使用、常圧蒸留による力強く奥深いコクと風味が特徴。
麦焼酎の香ばしさが揚げ春巻きのような衣のある揚げ物とよく合い、炭酸割りにすれば油を切ってくれる効果が、お湯割りにすれば温度の同調が期待できます。様々な楽しみ方ができるのが焼酎ペアリングのよいところ。
nechi 越淡麗 2016
新潟県根知谷産の越淡麗100%から造られた清酒。
越淡麗は、山田錦と五百万石を親に持つ酒米のサラブレッドで、透明感がありながら凝縮した味わい。こちらの2016は、熟成によってほんのり香るカラメルのニュアンスが、揚げ物と好相性!
米作りから酒造りまで「産地」「品種」「品質」にこだわった、ワインのAOCやドメーヌに通ずる日本酒の新しい生産スタイルを追求したnechiブランド。ボトルもワインのようでオシャレです♪
山形正宗1898 生酛純米 赤磐雄町
岡山県産雄町100%の純米酒。
雄町は亀の尾と並び、最も歴史のある酒米で、適度な旨味とまろみ、奥行きと幅のあるボディ感が特徴。特に赤磐郡の雄町は質が高く、ブランド名になるほど。生春巻きと合わせた山形正宗とは違い、しっかり太い味わい。
日本酒にもスパイス香があり、ラム肉の風味とよく合います。スパイスとハーブ、日本酒の驚くべきペアリング!
悦 凱陣 金毘羅大芝居 純米吟醸
香川県の丸尾本店が造る山田錦100%の純米吟醸酒。
精米歩合50%は大吟醸に匹敵。山田錦ならではの柔らかさと、凱陣ならでは豊富な旨味としっかりした酸、辛口な余韻の味わいが特徴。
〆のフォーには、旨味を掛け合わせて。“追いがつお” することで、双方の旨味がさらにアップします♪
最後に、食後にオススメなのが、口中をさっぱりさせてくれるサワー。
大人気のオリジナルレモンサワーに、自家製のジンジャーサワーやコーラサワーもあります♪
オリジナルレモンサワー
虎ノ門横丁特集でもご紹介した Ăn Đi 特製サワー。
オーガニック黒糖、上白糖、ハチミツの3種の糖分を使ったシロップと、オーガニックレモンが手に入らない季節は、”Citron et Citron” のレモンジュースを代用し、米焼酎で割って。奥深い味わいでレモン感もしっかり。このサワーが飲みたいから頼む「本気のレモンサワー」。
自家製ジンジャーサワー
自家製ジンジャービアーと熊本県産米焼酎を使用したジンジャーサワー。
後味にしっかり生姜のピリピリ感があり、体も温めてくれそうな健康的なお酒。罪悪感がなく、飲みすぎてしまった〆のサワーにオススメ(笑)
ボトルがオシャレな “The SG Shochu” は、カクテルを造ることを主目的に開発された本格米焼酎。
この他にも多くの日本酒、そして焼酎がオンリストされているので、日本酒通は、スタッフと相談しながら、色々なペアリングを試してみると楽しいはず!
また、今回は日本酒ペアリングをご紹介しましたが、もちろんワインもあります。グラスワインは、泡、白、オレンジ、ロゼ、赤の5種。ボトルは、日本をはじめ、世界各国からのこだわりワインを自然派を中心に取り揃えています♪
ベトナム料理とワインの相性の良さは Ăn Đi で実証済み。虎ノ門横丁の “HAND PICKING WINE” でも Ăn Đi のフードメニューを提供していることを以前ご紹介しました。
日本酒があまり得意ではないという方も、どうぞご心配なく! ぜひワインと合わせてお楽しみください♡
日本酒ペアリングについて
~大越基裕氏に聞く~
今回、新店をオープンするにあたり、日本酒ペアリングを中心にした経緯について、お話をうかがいました!
Q. 日本酒ペアリングを提案する理由
ワインの味覚の世界とはまったく違った世界を持っているのが日本酒。 昨今のお料理がよりライトになってきており、イノヴェイティブなものも増えている中で、より良いペアリングには、料理のジャンルを問わず、ワインより日本酒の方がいい場合も多くあるからです。
Q. 日本酒ペアリングの魅力について
旨味と甘味が味わいのメインである日本酒は、柔らかなテクスチャーが特徴で、その柔らかさを生かしたペアリングを作れます。そして、幅広い温度帯で味わいの世界を表現できるので、熱いお料理とも味わいの一体感を作りあげることができます。また、ワインと違い、食事を食べながら合わせる口内調味ができるペアリングも作れることが、日本酒のみが提案できるペアリングの魅力となります。
Q. 今後メニューに取り入れたい飲食店様へのアドバイス
ワインを専門にやってきた方々にとって、最初は日本酒の違いが分かり難いかもしれません。ワインよりも香りの量が少ないので、ヴァリエーションが少なく感じてしまいがちですが、特に甘味、旨味、そして酸味、苦味にも注目して、温度違い、熟成違いなども見ていくと、色々な世界が見えてきます。
日本酒の世界は、ヴィンテージや土地の味、ナチュラルな造りなどにも注目し、そのヴァリエーションがさらに豊富になってきています。それらの味わいを理解していくことが、より良いペアリングに繋がっていきます。
日本酒をペアリングに取り入れる時は、コース全体の流れや、バランスにも気をつけて、なんとなくではなく、明確に味わいの組みあわせの意図を持って合わせてみてください。
大越基裕氏のプロフィールについては、ぜひE-DASHページをご覧ください♪
★ワインテイスター/ソムリエ大越基裕の “Wine Trend”
★ワインテイスター/ソムリエ大越基裕の “Food Pairing”
取材を終えて
2013年12月に「和食:日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録されて以来、世界では和食ブームが起こり、それとともに日本酒も注目されるようになりました。
近年では、コース料理のペアリングで、ワインの中に日本酒が組み込まれていることも、しばしば見受けられます。それでもどこか「日本酒は和食と合わせるのが一番!」という固定観念を持っていた気がします。
今回、色々なお話をうかがいながら、実際ペアリングを体験し、日本酒がどのお酒よりも飲む温度の幅が広く、味わいにおいてもヴァリエーションが豊富で、ワインと同じように、もしかしたらそれ以上にペアリングに向いているかもしれないことを知りました。
ワインが世界中の人に愛され、洋食から中華、エスニック、和食においては、たこ焼きからお鮨まで幅広く合わせられているように、これからはもっと日本酒の可能性についても考えてみたい! そう感じた、とても良い機会となりました。皆様にもぜひ体験していただきたいです♪
日本酒は開封後の保存による変化のリスクが、ワインに比べて遥かに少ない!
日本酒は、冷蔵での温度管理さえしっかりすれば、2~3週間状態が変わることなく保存できることをご存知ですか? 生酒は、味わいの保存にはマイナス5℃で保管できるセラーを入手する必要がありますが、そうすればグラス売りも容易となり、アラカルトとペアリングするために多くの種類を開けて用意することができます。
新型コロナウイルスの流行以来、レストランでの密を避け、滞在時間を短くするためにアラカルトを注文する人や、テイクアウトする人が圧倒的に増えました。そんな時、日本酒は、アラカルトにもテイクアウトにも使える、とても優秀なお酒なのです。
2021年に東京オリンピックが開催された暁には、たくさんの外国人が来日します。その際に、国酒である日本酒と焼酎を積極的にオススメし、美味しさを知っていただくためにも、今からぜひ日本酒ペアリングを模索してみてはいかがでしょうか♪
Ăn Cơm
〒135-0061 東京都渋谷区広尾5-4-16
EAT PLAY WORKS “THE RESTAURANT” 2F
TEL: 03-6409-6386
定休日:月曜日 ※その他不定休あり
いかがでしたか?
個人的にもとても楽しみにしていた今回の取材。前回のカクテルペアリングに続き、とにかく目から鱗のE-TOMO7でした! こんなにも日本酒の楽しみ方があったなんて♪ 特にこれからの季節は、温燗や熱燗ともたくさん合わせてみようと思います(^^)
さて、次回は11月5日(木)配信予定です。お楽しみに~!
お酒のナビゲーター「E-TOMO 7」自己紹介
Tomoe
ワイン全般好きですが、シャンパーニュは浸かりたいくらい大好き! 最近はロシアなどマニアックな国のワインと品種に興味津々。聞いたことのない土着品種と出会うと、飲みたくて目がキラキラします☆
haruna
インスタで日々美味しいランチを探してます! 入社当時はワイン派でしたが、最近はもっぱら純米酒が好きになってしまいました♪
ユメコ
榎本のフードファイターと呼ばれるくらい食べることが大好きです! お肉料理が好きなので、さっぱりしたハイボールが大好きです!! 一年中飲んでます!
fumiko
お休みの日は色々なお店をはしご酒をするのが好きです。
基本的にいつもビールですが、食事に合わせてワインや日本酒も飲みます!
ナツミ
焼肉とレモンサワーの組み合わせが大好きです。
休日は昼から気になった飲食店様に入り、お酒を飲んでいます。
マリナ
最初の一杯はビールから始めます! 2杯目以降は何でも飲みます。
“期間限定” や “オリジナル” が大好きで、いろいろなお酒の楽しみ方を日々勉強しています!
みゆう
食べるのも飲むのも大好きですが、青森出身なので特に日本酒が好きです!
おいしい料理を食べながらお酒を飲んでいる時間が一番幸せを感じます!