E-TOMO 繁昌Navi No.39
E-TOMO繁昌Navi No.39
こんにちは! E-TOMO7です。
新型コロナウイルスの規制緩和に伴い、6月10日からは2年ぶりに海外からの観光客受け入れも再開しました。引き続き感染予防対策は必要なものの、色々なことが緩和され、少しずつ日常が戻ってきていることに嬉しさを感じる今日この頃です。
E-TOMO7でも、東京都から他県への移動自粛で、2年間見送ってきた企画がありましたが、ようやく今年になり、実現できることに!
題して『E-TOMO定点観測』
1年近くかけて、お酒にまつわる「定点観測取材」を行っていく企画です。好評であればシリーズ化も目指し?!
2022年は「日本酒造り」を追いかけます♪
『E-TOMO定点観測 ~日本酒ができるまで~』
インバウンドのお客様が戻れば、日本酒をご紹介する機会もまた増えてきます。国酒である日本酒については、飲食に携わる者だけでなく、日本人としても基本的な知識は欲しいところ。
さらに、WITHコロナ・POSTコロナ対策として、長引くコロナ禍で落ち込んだ地域の活性化も急務となっています。ぜひみんなで日本酒を応援し、「日本をもっと元気に!」していきましょう(^^)
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今回の定点観測取材にご協力いただきますのは、長野県北部・信濃町の「高橋助作酒造店」。
信濃町唯一の造り酒屋であり、弊社とは先代からの長いお付き合いをいただいている老舗酒造店です。
なお、日本酒造りについては、過去に酒造見学レポートで簡単にご紹介していますので、ぜひ合わせてご覧ください。
E-TOMO繁昌Navi No.25 田村酒造場「しぼりたて生酒」見学レポート
「良い日本酒は、良い米作りから」
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日本酒の主原料となるのが、お米と水。そのうち約80%を水が占めています。
使われるお米は、私たちが普段食べる飯米とは異なる、「酒米」もしくは「酒造好適米」と呼ばれる日本酒造りに適したお米。
お水は、仕込み水や割り水に使う水のことを「酒造用水」といい、水道水より厳しい水質基準が定められています。
高級ワインがいい畑のいいブドウから造られるように、上質な日本酒造りにも、いいお米ときれいな水が欠かせないのです。
日本酒造りを追いかけるなら、まずは原料となる米作りから! ということで、定点観測・第1回は「田植え」です♪
長野県上水内郡信濃町
17年ぶりに九州南部より早く6月6日に梅雨入りした関東甲信地方でしたが、梅雨明けも1951年の観測開始以降、最速かつ最短で6月27日に明けました。
そんな異例の梅雨に入る前の5月末、E-TOMO7取材班は、雨続きだった悪天候を晴れ女パワーで吹き飛ばし、爽やかな晴天の長野県上水内郡信濃町(かみみのちぐん しなのまち)まで行って参りました!
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東京から北陸新幹線で長野まで1時間強。長野からは、しなの鉄道北しなの線に乗り換え、30分ほどで黒姫に到着。こちらに、これから1年お世話になる高橋助作酒造店と、酒米が育つ水田があります♪
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駅に降り立った瞬間、涼しくてびっくり! 5月にして、すでに真夏日予報で朝から暑かった東京と比べ、10℃近い気温差です。駅の標高はスカイツリーより高い672m。駅前の「黒姫水車」では、雪氷まじりの水流に対する水車発電の実験が行われており、降雪地帯であることが分かります。
信濃町は内陸性の気候で、冬は寒冷で積雪が良質な水環境をもたらし、夏は昼夜の寒暖差が稲など農作物の生育に役立つ「この自然環境が美味しい日本酒造りに欠かせない」のだそう。
なるほど、朝晩は涼しく、それでいて標高が高いので、太陽の光は燦々と降り注ぐ。空気も水もきれいで自然豊かなテロワールが、上質な日本酒造りに適しているのは、ワイン造りと同じなのですね(^^)
目の前に見えるのは、美しい黒姫山。
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ここ信濃町は、北信五岳といわれる戸隠、飯縄、黒姫、妙高、斑尾の山々に囲まれた高原地帯。
黒姫駅より車で10分ほどの斑尾山麓には、野尻湖が。
野尻湖は、輪唱でおなじみの童謡「静かな湖畔」が生まれた地であり、ナウマンゾウの化石が発掘されたことでも一躍有名になった湖。高原の軽井沢、海の高山と並び、“日本三大外国人避暑地” と称される人気のリゾート地です。
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夏は避暑やキャンプ、冬はウィンタースポーツを楽しむ人で賑わい、近年は流行りの “サ活” で、本場フィンランド式薪サウナ「The Sauna」を訪れるサウナ―も多いのだとか♪
定点観測 ① 田植え
さて、いよいよ人生初の田植え体験!!
と気合いを入れて長靴も持参しましたが、今や機械による田植えが主流のため、昔ながらの手作業で田植えをすることはあまりなく、今回も働き者の田植機「こまきちゃん」の仕事ぶりを見学させていただくこととなりました(笑)
とはいえ、田植機では植えきれない田んぼの端などは、手で植えているのだそう。
訪問した水田は、酒蔵より車で10分ほどのところにある「荒瀬原(あらせばら)」。
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黒姫山、戸隠連山を遠望するこの荒瀬原地区は、標高約734mと、黒姫駅や酒蔵のある古間よりさらに高地。東から西に開けて日照が良く、風が抜けるため、いもち病(※稲の葉や穂を枯らす最も恐ろしい病気)になりにくいとのこと。また、傾斜地にあるため、日没が遅く、冷害にもなりにくいという特徴があります。
この日はいつにもまして風の強い日でしたが、たしかに風が通り、強い日差しで手足がジリジリ焼けるほど!
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この荒瀬原にて契約栽培されているのが、長野県原産の「山恵錦(さんけいにしき)」。
2020年に品種登録されたばかりの酒造好適米で、早くも数々の賞を受賞している、高橋助作酒造店を代表する酒米品種です。(※山恵錦については、次回詳しくご紹介する予定)
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軽トラックの荷台には、これから植えられる苗代が。青々とした苗がふさふさして可愛い~♪
3~4本の苗を1株として、一般的には16~18㎝、疎植であれば24~30㎝の間隔で植えていくのだそう。
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苗代を1枚1枚、田植機に積んでいきます。
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こまきちゃんは、いもち病を予防する薬剤と除草剤を田植えと同時に散布することが可能で、少量使用しています。
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搭載が完了したら、行ってらっしゃーい!
まっすぐきれいに植えるには、それなりの技術とセンスが求められるそうですが?! 楽しそう(笑)
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あっという間に水田に苗が植えられていき、数回往復して、最後に周囲をぐるっと一回りすれば終了!
乱れているところは、人の手でちょっと手直し。
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広大な荒瀬原の地で、風の音とカエルの鳴き声も聞こえる田植えの様子を、ぜひ動画でご覧ください♪
日本酒のテロワール探求
高橋助作酒造店を代表する日本酒「松尾」には、酒米の品種や栽培地域、醸造方法などを限定し、日本酒のテロワールを表現することに特化した銘柄がいくつかあり、この「荒瀬原」もそのひとつ。
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ワインではもはや当たり前の「テロワールの探求」も、日本酒ではまだ少ないのが現状ですが、早くから全量長野県産米、そして地元信濃町や戸隠地域における契約栽培にこだわり、気候や土壌、水質などの自然環境に基づくテロワールに着目しているのが、社長の高橋邦芳さんです。
例えば、日本酒造りにおいて重要な要素である、美味しい水。創業以来、仕込み水に使用している戸隠山系の湧き水には、ミネラルが豊富に含まれており、それもそのはず、今から約500万年前、北信一帯は日本海に繋がる海の底。戸隠は、その海底火山の噴火による隆起と侵食で形成された特殊な地域で、クジラやホタテ貝の化石が発見されているのです。
今回植えた山恵錦も、いずれこの「信州長野 信濃町」のテロワールを表す日本酒となる予定。
長野県原産の固有品種から造る信濃町の “地酒” が、一体どんな味わいを醸し出すのか? 今から楽しみです!
テロワール好きのワインLOVERの皆様にもぜひお試しいただきたく、今後のレポートにぜひご期待ください♪
高橋助作酒造店について
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創業1875年、今年で147年を迎える信濃町唯一の造り酒屋。
代表銘柄の「松尾」は、醸造の神様にちなんで命名。日本酒を醸すことは、祈りや感謝の思いを形にすること。五穀豊穣と安寧を祈り、感謝する思いを日本酒造りに込めています。
「手造り」にもこだわり、蒸米は甑(こしき)を、麹は箱を使用する伝統的な手法で、酵素剤も一切使用せず、手間を惜しまない昔ながらの技を継承。
地元契約栽培や全量長野県産米にこだわるだけでなく、長野の気候風土に合った新しい酒米の開発にも貢献。「山恵錦」で2021年にはインターナショナル・ワイン・チャレンジの純米大吟醸部門で金賞を取るなど、国内外から注目が集まっています。
今年から能登杜氏を迎え、信州長野のテロワールを表現する美酒造りに一層力を入れているとのこと。日本酒の新たな可能性とチャレンジに、今後ますます期待したい酒造店です♡
見学後記
田植えを間近で見たのは初めてでしたが、こんな豊かな大自然の中で、これから稲がすくすく育つのかと思うと、今から成長が楽しみでなりません。こうして大切に育てられるお米から、美味しい日本酒が造られるんですね! あらためて農家さんに感謝しつつ、このレポートを通じて、「信州長野 信濃町」のテロワールを少しでも皆様に感じていただけたら嬉しいです♪
最後に、長野県の名産といえば、やはりお蕎麦。
ランチは黒姫駅前で代々続く蕎麦店「生そば 信濃屋」にて。
お水がきれいだからか、自家製のお蕎麦が本当に美味しい!
黒姫にいらしたら、ぜひ立ち寄ってみてください♪
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高橋助作酒造店
〒389-1313 長野県上水内郡信濃町古間856番地1
TEL:026-255-2007
http://www.matsuwo.co.jp/
いかがでしたか?
次回の定点観測は、夏真っ盛りの頃に、元気に育った稲たちをレポートする予定です♪
新品種「山恵錦」についてもご紹介しますので、どうぞお楽しみに~!
お酒のナビゲーター「E-TOMO 7」自己紹介
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Tomoe
ワイン全般好きですが、シャンパーニュは浸かりたいくらい大好き! 最近は珍しい国のワインと品種に興味津々。聞いたことのない土着品種と出会うと、飲みたくて目がキラキラします☆
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haruna
インスタで日々美味しいランチを探してます! 入社当時はワイン派でしたが、最近はもっぱら純米酒が好きになってしまいました♪
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ユメコ
榎本のフードファイターと呼ばれるくらい食べることが大好きです! お肉料理が好きなので、さっぱりしたハイボールが大好きです!! 一年中飲んでます!
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fumiko
お休みの日は色々なお店をはしご酒をするのが好きです。
基本的にいつもビールですが、食事に合わせてワインや日本酒も飲みます!
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ナツミ
焼肉とレモンサワーの組み合わせが大好きです。
休日は昼から気になった飲食店様に入り、お酒を飲んでいます。
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みゆう
食べるのも飲むのも大好きですが、青森出身なので特に日本酒が好きです!
おいしい料理を食べながらお酒を飲んでいる時間が一番幸せを感じます!
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ミク
焼酎・日本酒など「The・和酒!」が大好きで、相棒のエイヒレ、いぶりがっこチーズとともに楽しんでいます。入社前からですが、お酒のラベルを見るだけでワクワクが止まらないので、新たな銘柄開発にハマっています!