E-TOMO 繁昌Navi No.12
E-TOMO 繁昌Navi No.12
こんにちは! E-TOMO7です。
秋も深まって参りました。「実りの秋」「収穫の秋」で、皆様の「食欲の秋」は満たされていますか?
さて、ワイン好きにとっては楽しみな 新酒 の季節がやって参りました!
収穫されたブドウがワインとなり、今月末から世界各地で新酒として発売されます♪
世界の新酒
新酒といえば、ボジョレー・ヌーヴォーが有名ですが、世界には色々な新酒があるのをご存知ですか?
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イタリア
ヴィーノ・ノヴェッロ(Vino Novello) 10月30日解禁
ノヴェッロを名乗るにはDOPかIGTワインでなければならないなど、法律でいくつか条件が定められているため、すべての新酒がノヴェッロではないものの、全20州で生産可能。色も赤・ロゼ・白と多様。 -
ドイツ
デア・ノイエ(Der Neue) 11月1日解禁
辛口~甘口まであり、白ワインのが種類豊富。ドイツにはデア・ノイエよりも先に新酒が味わえる、フェダーヴァイザー(Federweisser)があり、こちらは収穫されたブドウ果汁がまだ「発酵中」の段階で飲む、貴重な季節限定ワイン! 現地で9~10月の間だけ楽しむことができます。 -
日本
山梨ヌーヴォー 11月3日解禁
山梨県にて造られる日本固有品種、甲州(白)とマスカットベーリーA(赤)の新酒。その他の品種からもヌーヴォーは造られていますが、特に解禁日は設けられておらず。 -
オーストリア
ホイリゲ(Heuriger) 11月11日解禁
「居酒屋」という意味もあるホイリゲ。新酒は、収穫祭が行われる聖マーティンの日、11月11日から1年間楽しむことができます。日本では、日本酒の新酒解禁のサインとして杉玉を軒先に吊るしますが、オーストリアでも新酒のサインに松の枝を吊るすのだとか! -
フランス
ボジョレー・ヌーヴォー(Beaujolais Nouveau) 11月第3木曜日解禁
日本でもおなじみのヌーヴォー。元々は収穫祭の時に飲む地酒のことで、ボジョレー地区にてガメイ種から造られた新酒。プリムール(primeur)とも言います。
毎年ヌーヴォーの販売には力を入れている榎本。
今年は白百合醸造株式会社とのコラボレーションで、山梨ヌーヴォーのPBを2種類造りました!(※おかげさまですべて予約完売しております)
11月3日の解禁日が楽しみです♪
そこで、E-TOMO7は、少しでも新酒造りのお手伝いを!
ということで、白百合醸造さんを訪問。甲州とマスカット・ベーリーAをこの手で収穫して参りました!
今回はその体験レポートを特集します(^^)
白百合醸造 L’ORIENT 収穫体験レポ―ト
とある9月の晴れた日、E-TOMO7取材班は、山梨県勝沼にワイナリーを構える白百合醸造さんへ。
創業は1938年。L’ORIENT(ロリアン)とは、フランス語で「東洋」の意。ヨーロッパに劣らぬ高水準のワイン造りを目指して名づけられたのだそう。
エントランスには、マスカット・ベーリーAがたくさん実をつけていて、早速テンションアップ!
本来は、ワイナリーから見えるこの山の向こうに富士山が見えるそうですが、この日は雲が出ていて見えず、残念~。それでも、山々に囲まれて、広々として、自然が豊かで。都会の喧騒を離れて、ホッと癒されます(^^)
11月3日解禁!山梨ヌーヴォーのブドウ
今回収穫を体験させていただいたのは、山梨ヌーヴォーに使われる甲州とマスカット・ベーリーA。
今年のブドウの出来は、さて、どんな感じなのでしょうか?
9月とはいえ、山梨はまだ暑いので、収穫はほぼ早朝に行うのだとか。たしかに、お昼近くなると日差しがジリジリ...私たちも着いて早々、まずはブドウ畑へ!
甲州 Koshu
日本を代表する固有品種で、山梨県特産。白ワイン用のブドウですが、グリブドウといって、皮の色がピンク色をしています♪
一見すると実がたくさんなっているように見えますが、今年は梅雨寒で気温の低い日が長く続いたことや、雹に見舞われたりして、結実が悪く、実がふぞろいだったり、葉や実が傷ついていたり。収量は昨年の半分以下だそうです...
さらに、収穫期に台風がやってくるとの予報で、予定よりも早く収穫を済ませたので、糖度が少し心配とのこと。もともと糖度の上がりにくいブドウなだけに、より心配ですが、よいワインに仕上がるとよいですね♪
元来食用ブドウのため、粒も大きく、食べてみると、とってもみずみずしくてジューシー!
ちょうど先に収穫された甲州ブドウが、右側のタンクの中で発酵中でした♪ タンクの外側に水が流れているのは分かりますか? 水を流すことで、発酵で上昇する温度を下げているのです。
マスカット・ベーリーA Muscat Bailey A
甲州と同じく日本の固有品種で、ベーリーとマスカット・ハンブルグの交配により、1927年に日本のワインブドウの父、川上善兵衛が開発したブドウ。
繊細で育てるのが大変な甲州に対し、マスカット・ベーリーAは強いブドウなので、今年もよい出来が期待できそう!
ほぼ収穫の終わっていた甲州に対し、こちらはちょうど最後の収穫作業!
房の切り方を教えていただき、私たちもハサミを持って、お手伝い♪
一房一房大事にカゴに入れて...たくさん収穫できました!
こちらも食用ブドウのため、甲州同様、粒も房も大きくて、食べるととってもジューシー! 甘くて、デラウェア似た味わい。マスカット・ベーリーAを食べるのは初めてでしたが、とにかく美味しくて、びっくりです♪
ワインの造り方
収穫されたブドウは、
① 望ましくないブドウの実を取り除く(選果)
② 茎を取り除き、実を潰す(除梗 / 破砕) ※除梗しない場合もあり
③ 白ワイン:ブドウを圧搾して、ブドウジュースのみをタンクまたは樽に入れて発酵
赤ワイン:ブドウを皮と種ごと醸し発酵を行い、後から圧搾
④ タンクまたは樽で熟成
⑤ 澱引きや清澄を行なってから瓶詰めをする
の順序で、ワインが造られていきます!
こちらが圧搾機。
ブドウを搾って、皮と種、ジュースに分ける機械。白ワインはこの圧搾されたジュースを発酵します。
赤ワインは、果皮から赤い色を抽出するために、皮ごと一緒に漬け込んで、醸しながら発酵します。皮を漬け込まないと、黒ブドウでも白ワインになるのです!
大きな桶にブドウがたくさん! こちらはメルロー。発酵を開始して1週間ほど。
液体が見えませんが(笑) ピジャージュといって、表面に上がってきたブドウ(果帽)を櫂入れして、かき混ぜる作業を定期的に行います。ブドウと酵母の甘酸っぱくていい香り♪
ワインは、ブドウの糖分が酵母の働きによってアルコールと炭酸ガスに分解される、アルコール発酵によってできるので、発酵を始めたばかりの時は、コポコポコポと炭酸ガスの音がします!
だいぶおとなしくなっていますが、まだコポコポしていますね(^^)
この発酵が1~2週間で終わると、圧搾して、ワインをタンクや樽に移し、一定期間熟成させます。
温度管理されたワインセラーには木樽がずらり!
ボトリングからコルクの打栓まで、すべての作業がワイナリーで行われます。
こうして大切に造られたワインが、私たちの手元に届き、美味しくいただくことができるのです♪
ブドウの仕立て方
ワイナリーでは様々なブドウが植えられていますが、すべてがワインになるわけではなく、試験的に植えられているものもあり、中にはジョージアの品種も! 日本の、そして、山梨の土壌でしっかり育つものが、ワイン用に選ばれ、使われます。
ブドウをご紹介する前に、仕立て方について少し。
① 棚仕立て
上からブドウがぶら下がる仕立て方で、甲州とマスカット・ベーリーAはこの仕立て。ブドウが地表から離れ、風通しがよく、葉が日除けとなってくれるので、雨が多い日本や、日差しが強い南イタリアやポルトガルで採用されています。
見学者のディスプレイ用にもブドウが見やすく、収穫するにもこちらの方が日陰で助かります!
② 垣根仕立て
フランスやカリフォルニアをはじめとする、世界各地で見られる仕立て方。垣根のように縦一列に低く仕立てられており、国際品種であるシャルドネやカベルネ・ソーヴィニョンはこの方法で栽培。
フランスで見る垣根仕立てよりずいぶん背が高いのは、雨が多い日本の気候がゆえ。雨水が地面から跳ね返るのを避けるために、高く仕立てているのだそう。
その他のブドウ
早熟なシャルドネやメルローはすでに収穫されていましたが、晩熟なカベルネ・ソーヴィニョンをはじめ、畑で栽培されているブドウたちを見せていただきました♪ 嬉しいことに味見も! 粒の大きさが違ったり、皮が薄かったり厚かったり、味わいも当然ながらひとつひとつ違って、感動の連続です(^^)
カベルネ・ソーヴィニョン Cabernet Sauvignon
フランスのボルドーを代表する品種。
見た目は立派に実っているように見えますが、ワインにするには難しいのだそう。日本の土壌にはあまり合わないのでしょうか。
小粒で皮が厚く、果実味がギュッと凝縮した味わい。
シラー Syrah
フランス・ローヌ地方原産の黒ブドウで、オーストラリアのシラーズ(Shiraz)とも同じ品種。黒コショウの香りが特徴。味わいは、皮が厚くて色も濃いので、しっかりとしたボディの赤ワインが造られます♪
プティ・ヴェルド Petit Verdot
カベルネ・ソーヴィニョン同様、晩熟なブドウで、主にボルドーブレンドワインの補助品種として使われます。産地によっては100%で造られることも。皮が薄くて酸が高いのが印象的でした!
アジロンダック Adiron Dack
山梨県勝沼でしか栽培されていない「幻のブドウ」。
勝沼で初めて造られたワインに使われていたそうで、昭和初期ごろまでは多くの農家で栽培されていたのが、実がすぐポロポロ落ちてしまうことから、食用には向かないと廃れていったのだとか。コンコードに似た甘い香りと味わいで、食べると本当に美味しい!
デラウェア Delaware
食用としておなじみのデラウェアは、ワインも造られます。種なしで甘酸っぱくて、子供から大人まで大好きですよね♪
今回、できたてほやほや2019年の新酒を試飲させていただきました!(※後ほどご紹介します)
甲斐路
その名の通り、山梨原産のブドウ。ワインには使わず、食用として栽培されています。
赤いマスカットと呼ばれ、皮が薄いので皮ごと食べられ、粒が大きく実も落ちにくく、見栄えもするので、お店で販売するのにはよいですね♪
最後に、シャルドネを代表する白ブドウは、このようなグリーン色をしています。シャルドネはすべて収穫されていたので、これはシャルドネではない、社長のみ知る秘密のブドウらしい?(笑)
ワイン・テイスティング
収穫体験と施設見学の後は、ロリアンワインをテイスティングさせていただきました!
すべて山梨県産のブドウで造られた “GI Yamanashi” ワインです。
カーヴのような素敵なテイスティングルームが、ショップの奥にあります♪
まずは、2019年の新酒から。
山梨ヌーヴォーの甲州とマスカット・ベーリーAは、11月3日の解禁日まで待たないと飲めませんが、それ以外の新酒は特に規定がないので、出来上がり次第、飲むことができるのです♪
どちらも甘酸っぱくて、新酒ならではのフレッシュさがたまりません!
新酒 デラウェア 2019
ご存知食べるブドウのデラウェアを使用した2019年の新酒。
今まで飲んだデラウェアの中で一番美味しい! E-TOMO7にも大好評♪ アルコールも低いので、ワインが苦手という人にもオススメ。
品種:デラウェア
Alc.度:8%
参考小売価格:1,300円
新酒 アジロン 2019
上でもブドウをご紹介した「幻のブドウ」を使用したワイン。
ブドウの実を食べたままの甘い味! コンコードのように少し野性的で、野イチゴやカシスのような風味が特徴です。
品種:アジロンダック
Alc.度:8%
参考小売価格:1,600円
勝沼甲州 2017
Decanter World Wine Awards 2019 Silver受賞
勝沼産甲州ブドウのみを使用。澱とともに一定期間寝かせるシュール・リー製法により、ワインに複雑味と旨みがプラス。コクがありながらすっきりとした飲み口は、和食のみならずフレンチやイタリアンにも合うワイン。
(※弊社PBはこちらの新酒になります)
品種:甲州(山梨県勝沼町産)
参考小売価格:1,850円
セラーマスター 甲州 2017
Decanter World Wine Awards 2018 Gold受賞
こちらはシュール・リーをせず、甲州らしい柑橘のフルーティーさと、柔らかな⼝当たりが特徴の味わい深いワイン。ほんのり感じる甘さと酸のバランスがよく、上がメインのお料理なら、こちらはおつまみや前菜にオススメ。
品種:甲州
参考小売価格:1,750円
セラーマスター マスカット・ベーリーA 2018
“SAKURA” Japan Women’s Wine Awards 2019 Double Gold受賞
イチゴやフランボワーズの甘い香りがしながら、味わいはしっかり辛口。どんなお料理にも合わせやすく、これぞベーリーAのオススメの1本!
(※弊社PBはこちらの新酒になります)
品種:マスカット・ベーリーA
参考小売価格:1,800円
マスカット・ベーリーA樽熟成 2018
「日本で飲もう最高のワイン2019」プラチナメダル(最高賞)受賞
タンクで発酵終了後、オーク樽にて約8カ月熟成。
甘いベリーの香りに、上品な樽のロースト香がプラスされ、華やかで美味しい! 個人的にはこちらが一番お気に入り♪
品種:マスカット・ベーリーA
参考小売価格:3,000円
シャルドネ 2017
自社畑のシャルドネ100%使用。
フレンチオーク樽で発酵後、約9カ月樽熟成。
豊かな果実味と上品な樽のバニラやバターが香り、日本のシャルドネもここまで美味しくなったか!と、今回テイスティングしたワインの中でもトップを争う味わいです。
品種:シャルドネ
参考小売価格:3,200円
ル・モン ロゼ
マスカット・ベーリーAを100%使用したロゼ。
ベーリーA特有の甘いキャンディー香がし、甘酸っぱくてチャーミングなワイン。この可愛らしい色と味わいの印象がぴったりマッチしています。
品種:マスカット・ベーリーA
参考小売価格:1,500円
三重奏 2017
いつもは影のサポート役であるプティ・ヴェルドを中心に、3種類のブドウをブレンドしたワイン。ラム肉にも合う、凝縮した果実味と骨格のしっかりした味わいです。
品種:プティ・ヴェルド、マスカット・ベーリーA、メルロー
参考小売価格:2,500円
葡萄果汁 マスカット・ベーリーA 100%
マスカット・ベーリーAを100%使用したストレート果汁。
濃厚で甘酸っぱくて、これはかなりの美味しさ!ジュースとしてはもちろん、ゼリーなどを作っても美味しそう♪
この時期だけの数量限定品ですので、ぜひお試しください。
品種:マスカット・ベーリーA
参考小売価格:1,300円
収穫体験後記
今回は、E-TOMO7初の出張レポということで、収穫体験に始まり、ワイナリー見学、ワイン・テイスティングに至るまで、大変学び多き、まさに「実り」と「収穫」の一日でした!
たわわに実った美しいブドウをこの手でそっと取り、収穫して、そんなブドウから造られたワインを飲むのは、感動もひとしお、味わいも格別のはずです♪
余談ですが。
ランチには、名物の「ほうとう」をいただきました!
うどんより太めの麺を野菜と一緒に味噌仕立てで煮込んだ、山梨県の郷土料理。カボチャがゴロゴロ入って、美味しかった~♪
これからの寒い季節には、体が温まってとてもオススメです。山梨を訪問した際には、ぜひ召し上がってくださいね(^^)
お忙しい中、取材にご協力くださいました内田社長、営業担当の増田様、ワイナリーの皆様、本当にありがとうございました!
白百合醸造株式会社
〒409-1315 山梨県甲州市勝沼町等々力878-2
TEL: 0553-44-3131
http://www.shirayuriwine.com/
いかがでしたか?
今回の体験があまりに楽しくて、来年は枝の剪定からブドウが育つまでの定点観測もいいな~と、欲を出しているE-TOMO7です(^^)
収穫を含む農作業体験は、一般の方でも参加できますので、ぜひウェブサイトをご覧ください。
さて、次回のE-TOMO繁昌Naviは、11月6日(水)E-DASH冬号の配信に伴い、1回お休みさせていただき、11月20日(水)を予定しています。どうぞお楽しみに~!
お酒のナビゲーター「E-TOMO 7」自己紹介
Tomoe
ワイン全般好きですが、シャンパーニュは浸かりたいくらい大好き!最近はロシアなどマニアックな国のワインと品種に興味津々。聞いたことのない土着品種と出会うと、飲みたくて目がキラキラします☆
haruna
インスタで日々美味しいランチを探してます!入社当時はワイン派でしたが、最近はもっぱら純米酒が好きになってしまいました♪
ルミ
すっきりとしたビールが大好きです!
特に趣味のテニスの後に飲む一口目は、まさに至福のひとときと言えます!
ミズナ
乾杯ビールが大好きですが、最近は華やかなエールやフルーティーなビールにハマっています。バスケが大好きすぎて毎週末体育館で汗を流しています!バスケ後のビールの幸せなこと幸せなこと!飲みすぎないように気をつけます!(笑)
ユメコ
榎本のフードファイターと呼ばれるくらい食べることが大好きです!お肉料理が好きなので、さっぱりしたハイボールが大好きです!!一年中飲んでます!