第7回 日本酒ジャーナリスト 山本洋子のSake Style

山本 洋子(やまもとようこ)

日本酒と食のジャーナリスト、地域食ブランドアドバイザー

鳥取県境港市ゲゲゲの妖怪の町生まれ。雑誌編集長として郷土食、長寿食、マクロビオティックの本を編集。伝統的調味料や酒、発酵文化を紹介する。独立後、地方に埋もれた日本の食の宝応援をライフワークに。講演活動や地域食ブランドアドバイザー、日本酒と食のジャーナリストとして全国へ。著書に『純米酒BOOK』グラフ社『厳選日本酒手帖』『厳選紅茶手帖』『ゼロから分かる! 図解日本酒入門』 世界文化社。週刊ダイヤモンドで『新日本酒紀行地域を醸すもの』連載中。 https://diamond.jp/category/s-japanesesakejourney
モットーは「1日1合純米酒!」総務省地域力創造アドバイザー。境港FISH大使。

特集1.農から始まる酒造り。田んぼに情熱を注ぐ酒蔵の純米酒②

米の酒、日本酒。どんな米を選ぶかで酒の味が決まる生命線。その米を自ら栽培する酒蔵が増えてきました。
酒米栽培と醸造を一貫して行う酒蔵を今回もご紹介します。
第2回目は、大阪府豊能郡能勢町の「秋鹿酒造」です。

大阪府豊能郡能勢町 秋鹿

蔵前に立つ奥裕明蔵元杜氏。達筆で「農醸一貫」の文字も本人の筆
田んぼにはナマズの姿も

農醸一貫造り、土作りから始まる酒造り

大阪の酒蔵というと、都会で酒造り・・・というイメージがありますが、秋鹿酒造がある大阪府豊能郡能勢町倉垣は、大阪の北端に位置する山中の高原。寒暖差があり、山の麓まで棚田が連なる米どころです。

秋鹿酒造の蔵元杜氏の奥裕明さんは、この能勢町で、土作りから始まる酒造りをして30年。本人名付けて、「農醸一貫造り」です。

裕明さんは、蔵に入ってすぐに米作りを開始。始めは飯米で、次に酒米の王様、山田錦に挑戦しましたが、苦戦。

今までの、肥料に頼る栽培法では、背が高い山田錦の穂が倒れてしまったのです。試行錯誤する中で、農業指導の永谷先生の助言を仰ぎ、籾殻と米糠を発酵させた肥料を完成させました。

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