第6回 日本酒ジャーナリスト 山本洋子のSake Style

山本 洋子(やまもとようこ)

日本酒と食のジャーナリスト、地域食ブランドアドバイザー

鳥取県境港市ゲゲゲの妖怪の町生まれ。雑誌編集長として郷土食、長寿食、マクロビオティックの本を編集。伝統的調味料や酒、発酵文化を紹介する。独立後、地方に埋もれた日本の食の宝応援をライフワークに。講演活動や地域食ブランドアドバイザー、日本酒と食のジャーナリストとして全国へ。著書に『純米酒BOOK』グラフ社『厳選日本酒手帖』『厳選紅茶手帖』『ゼロから分かる! 図解日本酒入門』 世界文化社。週刊ダイヤモンドで『新日本酒紀行地域を醸すもの』連載中。 https://diamond.jp/category/s-japanesesakejourney
モットーは「1日1合純米酒!」総務省地域力創造アドバイザー。境港FISH大使。

特集1.農から始まる酒造り。田んぼに情熱を注ぐ酒蔵の純米酒

(左)環境保全米の栽培ほ場。植えられているのは宮城県のオリジナル酒米「蔵の華」。
(中)社長の鈴木整さんと、農業担当の三浦佑水さん。
(右)化学肥料や農薬を使わない田んぼは、ザリガニなどの生き物が多いのが特徴。
Photo Yohko Yamamoto

田んぼの稲刈りが各地で始まり、すでに終わっている地域も多いですが、日本酒専用の山田錦雄町などの酒造好適米=酒米は、晩生(おくて)品種が多く、田植えは6月、稲刈りは10月中旬から11月に行われます。
早く植えて早く刈り取る品種は、「早生(わせ)」と呼ばれ、酒米の代表は五百万石です。田植えは4月頃、稲刈りは9月頃です。

山田錦や雄町は、新米を待っていると、年内の新酒出荷には間に合わないため、新米で醸す新酒には酒米の早生品種か、食用米が使われます。
晩生の品種の新米新酒は、年明け出荷が一般的です。一部の蔵では、新酒用に、去年の酒米を冷蔵貯蔵している場合もあります。
原材料は米と水だけの日本酒は、お米の味が酒の味を決定づけます。
良い米を入手しようという試みと、「地酒」を追求するため、酒蔵が農業法人になり、

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