第3回 ワインテイスター/ソムリエ大越基裕の”Wine Trend”

大越 基裕

ワインテイスター/ソムリエ
国際ソムリエ協会 International A.S.I Sommelier Diploma WSET Sake Level 3 & Educator

渡仏後2001年より銀座レカンソムリエ、2006年より約3年間再渡仏し栽培、醸造の分野を学ぶ。帰国後同店シェフソムリエに就任。2013年6月ワインテイスター/ワインディレクターとして独立。世界各国のワイナリーやレストランを周りながら、最新情報をもとにJapan Airlineや有名レストランからカジュアルレストラン、インポーターなどへのコンサルタント、講師や講演、執筆などもこなしてワインの本質を伝え続けている。ワインだけでなく日本酒、焼酎にも精通しており、ワインと日本酒を組み合わせた食事とのペアリングには最も定評がある。外苑前にモダンベトナム料理店An Diもオープンさせており、"日本でしか楽しめないベトナム料理"、"ボーダーレスな楽しみ"がコンセプトで、世界中のワインと国酒を提供している。

1. 季節のワイン

2019 冬のワイン
凝縮感のあるワインが欲しくなる季節

冬になると煮込料理の様な、温かい料理や油脂分の多い料理が増えてきます。
そこで合わせるのは、日本酒なら「純米酒や熟成酒の熱燗やぬる燗で!」 と言いたいところです。
実際日本酒の温度感の違いで楽しめる味わいの幅はかなり広く、これは日本酒の最大の魅力の一つですが、ワインはその世界観をほとんど持ち合わせていません。
熱い料理や粘性のしっかりしたものを食べた後に、冷たい液体を口に運ぶのは、味わいの一体感やハーモニーを楽しむアルコールと料理の関係においては、何か違和感が出てしまうものです。

では、ワインでどのようにこの差を埋めるのか?
方法の一つに、凝縮度やアルコール度の高さがあり、これからの季節に必要なのは、よく熟す産地のもの、もしくはよく熟す葡萄のワインと言えます。
その様な産地のワインといえば、ニューワールドやオールドワールドでも南の産地のものが頭に浮かびます。さらにこれからの季節、ワインは特に赤ワインに需要が高まるので、現代料理や和食とも楽しめる凝縮感のある赤ワインが必要となります。

コンセントレイテッド アンド ストラクチャード  赤……

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