第14回 日本酒ジャーナリスト 山本洋子のSake Style

山本 洋子(やまもとようこ)

日本酒と食のジャーナリスト、地域食ブランドアドバイザー

鳥取県境港市ゲゲゲの妖怪の町生まれ。雑誌編集長として郷土食、長寿食、マクロビオティックの本を編集。伝統的調味料や酒、発酵文化を紹介する。独立後、地方に埋もれた日本の食の宝応援をライフワークに。講演活動や地域食ブランドアドバイザー、日本酒と食のジャーナリストとして全国へ。著書に『純米酒BOOK』グラフ社『厳選日本酒手帖』『厳選紅茶手帖』『ゼロから分かる! 図解日本酒入門』 世界文化社。週刊ダイヤモンドで『新日本酒紀行地域を醸すもの』連載中。 https://diamond.jp/category/s-japanesesakejourney
モットーは「1日1合純米酒!」総務省地域力創造アドバイザー。境港FISH大使。

特集1.料理をもう1品頼みたくなる “酸” が特徴の山廃酛の酒

日本酒の味を決める重要な工程が酒母造り

ひとくちに日本酒といっても、大吟醸酒から経済酒、白濁から透明、泡あり泡なし・・・など、種類が多く、それが面白さであり、わかりにくさでもあります。
日本酒の原料は米と水が基本で、水が原料の約85%を占めます。原料米の違い、米の削り方の違い、麹菌や酵母の違いでも、味がグッと変わってきます。
その中でも、味の変化を特徴づけるのが、酒母造りの工程です。酒の母と書く、「酒母(しゅぼ)」の存在とは?

酒母の種類は3通り!

酒の母と書き表すように、酒母は、日本酒の「スターター」の役割を果たし、「酛(もと)」と呼ばれています。
ひとことで言うなら、“酵母を大量に培養したもの”

この酒母=酛の造り方は、大きく分けて3通りの方法があります。それが、
生酛(きもと)、山廃酛(やまはいもと)、速醸酛(そくじょうもと)です。

●生酛=江戸時代生まれの造り方で、生きた乳酸菌の乳酸発酵を利用。
●山廃酛=明治時代に考案された、乳酸発酵を利用する簡便な造り方。
●速醸酛=明治時代に考案された乳酸菌を使わない製法。純度の高い乳酸を添加して造るた

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